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オープンゼミ:「街の豊かさをつくる新しい仕組みづくり①」

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付添人:小堀雅康氏(株式会社デンソー)
参加学生:8大学51名の大学生、大学院生(11チーム)

 

【目的】
全4回で「街の豊かさをつくる新しい仕組みづくり」を考えるゼミ。その最初のステップとなる第1回目は、ワークショップによるマインドセットが大きな目的。マインドセットとは、これまでの経験などからできあがった、個々にある考え方の癖のようなもの。それぞれにある思い込みや価値観をどう捉え、共有し、そこから新しい価値を導き出せるのか。この後も続いていくゼミに臨む姿勢を学び、より充実したものにしようというものです。学生たちの思考がどのようにほぐされ、他者の思考に刺激されていくのか?約3時間にわたるセッションと、学生たちによる意見の交流を振り返る。

 

【方法・結果】
ステップ1:簡単なクイズに答えてみよう
ここで学生たちは、自分自身の固定観念や、他者との視点の違いを自覚することに。そして分かったこと。

 

 

・モノの役割を、見た目やこれまでの経験で決めつけてしまいがち。それが固定観念。
・「早く解けた人に賞金が出る」と言われると余計に解けない。つまり外的動機付(報酬や締切)が創造性を弱め、人を固定観念に固執させてしまう。これは避けたい。
・自分には見えなかったモノを見るにはどうしたら良いか。それは何度も見ること(別の見方を探る)、みんなで見ること(他者の視点を聞く)。違う見方を合わせることが大事。

 

 

 

 

ステップ2:自動運転の車を使った、ある町のサービスが日本中の度肝を抜いた
どんなサービスか考えてみよう。まずは個々でアイデア出し。考え込まず、練り上げず、思い付きでもいいからなるべく沢山の案を挙げることが求められた。アイデアの数が大事なのだ。その後、チーム内で話し合って一つのサービスにまとめ上げる。その際、一番ユニークだと思うアイデアを元にするようにと指示が出た。ユニークを大切にする。これも大事なこと。

発表されたサービスの中から、ぶっ飛んだアイデアをいくつか紹介しておこう。

 

 

・毎朝6時に町を巡回し、ニワトリの鳴き声で住民たちを起こしてくれる「コケコッコーサービス」
・クリスマスに全世帯からプレゼントを回収し、シャッフルして配布してくれる「勝手にプレゼント交換サービス」
・好きな時にお茶が飲める&ネコと遊べる&野良猫も住める「移動ネコカフェサービス(野良猫引受可)」
・車を呼んだら吉沢亮などのイケメンと過ごせる「吉沢亮出張サービス(延長課金制)」
・日体大の集団行動を自動運転で披露してくれる「集団行動観覧サービス」

 

 

 

 

ここまでの考えるプロセスをまとめると、
1.まちのイメージを創る(考える背景を考える)

2.まちのアイデアを出す(ユニーク・数を大切にする)

3.そこからアイデアを絞る(課題と紐付け・六感を使う)

4.そのアイデアを創り込む(組み合せる・検証する)
固定観念を外し、他者の視点も共有し、頭を柔らかくして考えることを実践した。

 

 

 

ステップ3: ある人物の1日を想定し、その暮らしが楽しくなるような工夫を考える。生活を想像して創造しよう。
1歳の子供がいる30歳の男女(どちらでも良い)がどんな1日を過ごしているか、7時の起床から22時半の就寝までをタイムスケジュールにして、まずは想像してみる。
その生活の中のどんな場面で、どんな工夫があると、暮らしが楽しく豊かなものになるか。3つの場面を挙げてアイデアを絞り込み、新しい生活を創造してみる。
1日という切り口で考えると、どんなアイデアが生まれるだろうか。

 

 

ーチーム発表からの抜粋
A)30歳女性を想定した場合
朝の支度時に工夫
・フェイスパックのようなお化粧シートで、あっという間にメイクが完成する
・肌の状態を判断して、その日に合ったメイクしてくれる
夕食の支度時に工夫
・冷蔵庫にある食材を使って、栄養管理された料理レシピを考えてくれる
・火加減などが上手くいったら褒めてくれる
・出来立ての料理が出せるよう、夫の帰宅をGPSで知らせてくれる夫婦の時間に工夫
・夫と映画鑑賞をしていると、シーンによって照明が変わる
・夫と晩酌していると、世界の絶景映像が壁にプロジェクションマッピングで流れる
・Uberの車内がBARになっていて、夫と晩酌しながら素敵な場所に連れて行ってくれる
その他の工夫
・お掃除ルンバがベビーベッドにもなり、掃除しながら赤ちゃんをあやしてくれる
・アイロンがけが一瞬でできるスチーマー
・16時頃になると「お疲れさま」と言ってくれる
・ショッピングカートとベビーカーが連動して付いて来てくれる
・風呂上がりの子供を全身ドライヤーで乾かしてくれる
・子守や足りないものなど、困ったことをマンション内でシェアして解決できる

 

 

B)30歳男性を想定した場合
朝の支度時に工夫

・赤ちゃんを起こさないよう、ベッドの振動や香りで目が覚める
・その日の体調を診断してくれるベッド
・洗面台の鏡にアレクサのような機能があり、支度をしながら天気などが聞ける
家事や育児での工夫
・洗濯物が自動で取り込まれている
・足りない日用品が自動注文されて届く
・食器洗いが不要になるよう、めくって使えるお皿
・SALE品に最速でたどり着けるメガネ
・子供の英語教育として、13:30からテレビが英語になる

 

 

 

【学んだポイント】
第1回目はマインドセットについて、いくつものアクティビティから学生たちは次のことを学んだ。
・違う見方をする人が集まる価値を知る
・固定観念を外す
・ユニークを大切にする
・アイデアの数を大事にする
・切り口で考える

アイデアが浮かんだら、それに固執してしまう。
一つの手段にこだわると、他の手段を見落としがちになってしまうことも知った。

今回は24時間という切り口で、“もれなく、” つまり、全体を網羅することをワークショップで体験した。今後のサービスアイディアも網羅した中で、検討をしていく。
この後も2,3,4回とゼミが続いていく中で、自分たちはどんなまちづくりをしたいのか。
こんな町、こんなコミュニケーションをつくるため、また住民が能動的にサービスを使えるようになるために必要な「仕組み・空間の使い方・シェアリング」などを考えていくことになる。その時には今回のマインドセットを活用し、頭を柔らかくして臨んでほしいと、学生たちへエールが送られた。

 




 

主催:中電不動産株式会社
協力:株式会社デンソー
企画・運営:未来デザインラボ(株式会社ラ・カーサ、1/ 千、SUVACO 株式会社)

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